定常性のあるデータか判定する
分析上の注意点
ADF検定では、帰無仮説と対立仮説を検定します。
- 帰無仮説:時系列データは非定常である
- 対立仮説:時系列データ定常である
棄却限界値を設定し、設定した棄却限界値よりも小さい値を値が取れば、帰無仮説が棄却され、対立仮説を採用するというロジックにより、時系列データの定常性を確認します。
ADF統計量の値が、各水準(1%、5%、10%)の棄却限界値よりも小さければ、帰無仮説が棄却され、各水準(1%、5%、10%)の棄却限界値よりも大きければ、帰無仮説は棄却されないという関係性にあります。
一般的には棄却限界値は5%水準で設定されることが多いようです。
→ ADF検定で出力される1%棄却限界値、5%棄却限界値、10%棄却限界値を確認しましょう。
コードと出力の例
例1: 飛行機乗客数に対する周期性の確認
- コード
- 出力
例1の飛行機乗船客数に対するADF検定の結果をみると、ADF統計量が程度であるのに対して、10%棄却限界値は程度であり、比較して大きな値をとっていることがわかるかと思います。また、値が程度であり99%点にあることからも棄却水準値となる1%、5%、10%よりも値が大きく、帰無仮説が棄却されません。
例2: 飛行機乗客数のラグ1の時間差分に対する周期性の確認
- コード
- 例1で作成したカスタム前処理カードとは別のカスタム前処理カードを用意し、モーダルを開きましょう。
- 例1のコード内の変更箇所である を に変更したコードになります。
- それ以外のコード部分に関しては、すべて同じ内容になるのでご自身で記入する必要はありません。
- 出力
例2では、例1の結果をうけて、飛行機乗船客数のラグ1の時間差分に対するADF検定を実施した結果になります。ADF統計量は程度でp値は程度ですので、10%の棄却水準であれば棄却されることになりますが、5%の棄却水準で棄却するにはあと一歩という結果になりました。
例3: 飛行機乗客数のラグ1のラグ12の時間差分に対する周期性の確認
- コード
- 例1、例2で作成したカスタム前処理カードとは別のカスタム前処理カードを用意し、モーダルを開きましょう。
- 例1または例2のコード内の変更箇所である または の部分を に変更したコードになります。
- それ以外のコード部分に関しては、すべて同じ内容になるのでご自身で記入する必要はありません。
- 出力
例3では、例2の結果を踏まえ、飛行機乗船客数のラグ1の差分系列に対するラグ12の時間差分に対するADF検定を実施した結果になります。その結果、値は程度という限りなくに近い確率点の値が出力されたため、帰無仮説が1%の棄却水準で棄却されました。